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- 緊急アピール
児童ポルノは、子どもの性的虐待の記録です。携帯やインターネットが普及しファイル共有ソフトが急速に発達した今、児童ポルノは、一瞬にして大量にコピーされ、世界中にばら撒かれています。児童ポルノの被害は撮影時に留まりません。ばら撒かれた映像を誰かが持っているかも知れない。見ているかも知れない。被害者は、こうした不安と恐怖に一生苦しめられます。
私たちは、児童ポルノの根絶のために、それぞれの立場で取り組んできました。しかし、日本国内だけをとっても、児童ポルノ事件の検挙数、ホットラインへの通報件数ともに急増を続けています。被害者の低年齢化も進んでいます。
こうした中、インターネット上の児童ポルノへのアクセスを遮断する「ブロッキング」の導入が、民間主導で検討されています。また、政府の犯罪対策閣僚会議の下に置かれた児童ポルノ排除対策ワーキングチームも、総合的な対策を打ち出そうとしています。私たちは、こうした機運を、児童ポルノの深刻化を食い止め、児童ポルノのない世界を実現してゆく分岐点にしなければならないと考えます。
児童ポルノの根絶には、特にインターネットやITに大きな影響力を持つ先進国が協調してリーダーシップを発揮しなければなりません。一つの国の対策の遅れは、その国の子どもたちのみならず、世界の子どもたちを児童ポルノの脅威に晒してしまうのです。 未来を担う大切な子どもたちを児童ポルノの被害から守るため、そして、被害を受けた子どもたちの深刻な現状を一日も早く改善するため、政府が民間セクターとの協調のもと、次のアクションを早急に実施することを求めます。
2010年5月27日
財団法人 日本ユニセフ協会