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「児童ポルノの被害実態」〜(財)インターネット協会主幹研究員 大久保 貴世さんのお話〜

増えつづける児童ポルノ情報
警察庁が公表した平成21年中のサイバー犯罪の検挙状況によると、インターネットを悪用した児童ポルノ事件の検挙件数は507件で、平成20年の254件からほぼ2倍にのぼりました。また、インターネット上の違法・有害情報の通報受付窓口「インターネット・ホットラインセンター」に寄せられた平成21年中の「違法情報」の中で児童ポルノ公然陳列は2番目に多く、この2年間で2倍の4486件にもなっています。
児童ポルノの被害実態
児童ポルノ被害というと、被害者に焦点があてられますが、被害者の視点に触れる前に、自身で被害を作っている現象があることも忘れてはいけません。以下は、平成21年4月に受けた相談です。

相談−1(23歳、女性)
「高校2年生のときに出会い系で知り合った9歳年上の方と付き合っていました、遠距離で寂しいから、と言われ性行為をビデオで撮られました。ネットで画像流出問題が目立つようになり、私も不安になったので検索してみたら個人撮影ビデオとして販売されていました。今現在、結婚を考えている彼がいます。彼に知られないようにビデオを全て削除したい。」

この相談者は「自分の名前」を検索してみたところ、あっという間に自分の名前と映像がセットになって掘り出されました。解決策は、サイトの削除依頼と検索の非表示依頼をする方法しかなく、完全に消えるまでにかなりの時間がかかります。依頼するたびにサイトに登場する自身の画像を見ることになるので、相談者の心情を察するといたたまれない気持ちになります。

ひとたびインターネットに流出すると全て削除することはできません。有効な対策がなく悔やまれる事例ですが、さらに被害が拡大しないように願いながら、忘れる努力をするしかないのが現状です。

もう一つの事例は、平成21年10月の相談です。相談者は高校生になって中学生当時を振り返り反省しています。

相談―2(16歳、女性)
中一の頃にSNSで知り合った人とお互い写メを交換し合ってしまいました。住んでいるところや名前も教えたこともあります。今、思うとなんで教えちゃったんだろうと、とても後悔しています。また、「裸の写メ送ってよ」といわれて送ってしまったことがあります。最近ネットの流出問題が目立っていることを知り、悪用されていないか不安です。とてもとても後悔しています。過去のことですが怖いです。

ネットから一時離れれば、現実の世界でいろいろな人がいることを知って、現実の場で鍛えられ、異性や同性の見る目を現実の場で養っていけます。そしてネットの世界に戻った時、「ここでの投稿には注意した方がいい」「この男性は優しそうに見えて、実は恐いに違いない」と、ネット上で責任のとれる振る舞いができるようになるものです。いきなりネットデビューするのではなく、その前に現実で体験をしっかり重ねていくべきです。

ネット上に溢れる有害情報を鵜呑みにせず、自分自身をしっかり見据えてほしいと思います。

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